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【兵庫】小麦粉にバター、食用油……。新聞紙上で食品値上げのニュースを見ない日はない。そんなある日、先輩記者が自慢げに「阪神間には、信じられないような激安大盛りの店がまだまだあるで」と教えてくれた。それを聞いていたデスクは「面白い。せっかくだから、実際に食べてリポートしてや」。時代に逆らうようにサービスに徹する店を、新人記者の私が食べ歩いた。【中里顕】

 阪神甲子園球場にほど近い「大力(だいりき)食堂」(西宮市甲子園網引町2の29、不定休)は、仲良し夫婦の藤坂悦夫さん(69)と初枝さん(65)夫妻が42年前から営む、丼もの中心の大衆食堂だ。看板料理はカツ丼(700円)で、出てきた丼はまさに「てんこ盛り」。重さは器を除いても1・8キロあるという。運動部の学生やガス会社の作業員がお得意さんといい、「最初に大盛りにしてみたらすごく喜ばれたので、どんどん量を多くしてしまった」と悦夫さんが苦笑する。さっそくいただくことにした。

 しかし、この量。食べきる自信はなくなってくるし、だいいち、700円で商売は成り立つのか、という疑問も浮かぶ。尋ねてみると悦夫さんは「本当のことを言えば苦しい。でも大盛りにすればお客さんが喜んでくれる。それが一番うれしいことやから」ときっぱり言う。

 何とか平らげたが、結局1時間半もかかってしまった。食べ過ぎて話すこともままならない記者に、悦夫さんは「よし、これを食べられたんやからもう、怖いもんなしや。でもみそ汁もちゃんと飲まなあかんで」。『新人に厳しく』は何も社内だけではないことを思い知った。

 別の日に訪れたのは、尼崎市役所や尼崎税務署に近い「さつま食堂」(尼崎市七松町3の20の14、平日のみ)。夜は総菜をつまみに酒も飲めるが、昼の献立はおかみさんの大比良ノブさん(81)が壁に張り出したメニュー一品だけだ。この日は一番人気のカレーライス(320円)にありつくことができた。大盛りにしても350円。付け合わせにカツと生卵、キャベツがつき、大盛りとは逆の意味で、信じられない価格設定だ。

 ほおばると、激辛などとは対極の、懐かしの味。大比良さんは健康を考え、枝豆やトマトなど季節の野菜を使うほか、「血がサラサラになる」とルーにゴマを混ぜ込むという。「おばちゃんの店に食べに来るお客さんは病気知らずなんだよ」。そう言われるとなんだか、自分がどんどん健康になっているような気がしてくる。一人暮らしは「健康」という言葉に弱いのだ。

 完食後、「お兄ちゃんも若いからって油断しないで、体に気をつけなきゃだめだよ」と大比良さんが、どくだみ茶をいれてくれた。のんびりすすりながら話をしていると、思わず故郷の母親の姿が目に浮かぶ。そういえば母の日にも何も贈らなかったっけ。「たまには電話くらいしよう」とつぶやいて店を後にした。

 実は他にも、口コミで評判の店を何軒か訪ねたが、「(混雑などで)常連客に不便をかけたくない」などの要望で紹介できなかった店がある。そうした店も、「お客さんに喜んでもらうことが大切」という姿勢は共通するようにも思った。どうせ外食するなら楽しい店、だ。今後も新しい店を探して、歩き回りたい

毎日新聞

儲けあるのかなぁ

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